ステップ 02 / 08FIND約25分

向く業務を見つける

会社の業務のうち、AIエージェントに任せると効果が出やすく、しかも失敗しても取り返しがつくものはどれか。最初の1つを選ぶまでを行います。

このステップでできるようになること

  • AIエージェントに向く業務の5つの特徴を言える
  • 任せてはいけない業務の線引きが分かる
  • 自分の部署の業務を棚卸しして、候補を3つ出せる
  • 「最初の1つ」を効果・難しさ・リスクの3軸で選べる

1理解する

向く業務の5つの特徴

うまくいっている導入事例には共通点があります。次の5つに多く当てはまる業務ほど、最初の一歩に向いています。

  1. 繰り返しが多い

    毎日・毎週・毎月のように同じ形で発生する。頻度が高いほど、準備にかけた時間を回収しやすくなります。

  2. 手順を言葉で説明できる

    新人に引き継ぐときに「こうやって、次にこう」と口で説明できる業務。説明できないものは、エージェントにも説明できません。

  3. 判断の基準がはっきりしている

    「金額が○円以上なら上長へ」「件名に△△があれば□□部門へ」のように、基準を文字にできる。

  4. 入力が電子データになっている

    メール、ファイル、システムの画面など、エージェントが読める形で情報が存在する。紙やFAXが中心だと、先に電子化が必要です。

  5. 間違えても取り返しがつく

    結果を人が確認してから使う、または簡単にやり直せる。これが最も重要です。

任せてはいけない業務

向いていない、というより「最初の段階では任せるべきでない」業務もはっきりさせておきます。

  • 取り返しのつかない操作が含まれる:支払いの実行、データの削除、社外への送信・公表。これらは「案を作るところまで」に限定し、実行は人が行います。
  • 最終責任を伴う判断:採用・評価・契約の可否・法令上の判断。エージェントは材料を整えるまで。
  • 基準が人の頭の中にしかない:ベテランの勘で回っている業務。まず基準を言葉にする作業(ステップ03)が先です。
  • 機密性が極めて高い情報を扱う:社内ルールで外部サービスへの入力が禁じられている情報。ステップ04で確認します。

業務の棚卸し

候補を選ぶには、まず自分の部署の業務を一覧にします。全部を書く必要はありません。「繰り返し発生していて、面倒だと感じているもの」を10個前後挙げれば十分です。

業務名頻度1回の時間使う情報判断の有無失敗時の影響
問い合わせメールの一次仕分け毎日30分メール種類の判定小(人が確認)
会議の議事録作成とタスク抽出週3回40分録音・メモ要点の選別小
週次の実績集計と報告メール毎週60分表計算・システム異常値の指摘中(数字の誤り)
取引先への支払い実行毎月120分請求書・銀行金額の確定大(取り返しがつかない)

この例では、4つ目の「支払い実行」は最初の候補から外れます。ただし「支払い一覧の下書きを作る」までなら候補になります。業務を少し手前で区切ると、任せられる範囲が見えてきます。

最初の1つの選び方

候補が3つほどに絞れたら、次の3つの軸で見比べます。

効果

削減できる時間 × 頻度。大きいほどよいが、最初は「中」で十分。

難しさ

手順の複雑さ、必要な連携の数、例外の多さ。最初は「低」を選ぶ。

リスク

失敗時の影響、扱う情報の機密性。最初は必ず「低」。

最初の1つは「効果:中・難しさ:低・リスク:低」

効果が最大の業務を最初に選びたくなりますが、そういう業務はたいてい難しさもリスクも高めです。最初の1つの目的は、効果を出すことよりも「導入の進め方を会社として一度経験すること」です。小さな成功を1つ作ると、2つ目以降が格段に進めやすくなります。

2自社に当てはめて考える

  1. 自分の部署で繰り返し発生している業務を、10個前後書き出す(上の表の形で)。
  2. 「失敗時の影響」が大のものに印をつけ、業務を少し手前で区切れないか考える。
  3. 5つの特徴に多く当てはまる順に並べ替え、上位3つを候補にする。
  4. 3つを効果・難しさ・リスクで評価し、「最初の1つ」を決める。迷ったら、一番リスクの低いもの。

決めた1つは、このあとのステップ03〜07でずっと使います。ここで決めきれない場合は、「問い合わせメールの一次仕分けと返信案づくり」のような、どの会社にもある業務を仮に置いて先へ進んでも構いません。

3自社の情報を記入する — 業務棚卸しシート・候補評価表

10個前後の業務を書き出し、候補3つを評価して「最初の1つ」を決めます。 入力は自動でこのブラウザに保存されます。保存しました

業務棚卸し
業務名頻度1回の時間使う情報判断の有無失敗時の影響
候補評価表(上位3つ)
業務名効果難しさリスク備考
記入例を見る

よくあるつまずき

  • 一番困っている業務を選ぶ。困っている業務ほど複雑です。最初は「地味だが確実に時間を食っている」業務が向いています。
  • 業務をまるごと任せようとする。「下書きまで」「仕分けまで」のように手前で区切ると、候補が一気に増えます。

4次へ進む条件

次の項目にすべてチェックが入ったら、このステップは完了です。完了にすると、トップページと一覧に印がつき、進み具合として記録されます。

チェックが全部入ると押せるようになります。

ステップ02は完了です。次のステップ03「業務を分解する」へ進んでください。