ステップ 06 / 08GUARD約30分
安全に動かす
試作で「使える」と分かったら、本番の業務で動かす前に安全の仕組みを整えます。人の承認ポイント、記録、止め方・戻し方、情報の守り方。ここを飛ばすと、小さな間違いが大きな事故になります。
このステップでできるようになること
- 「人の承認が必要な4つの操作」を言える
- 承認ポイントを自分の業務の中に置ける
- 記録(何を・いつ・どう判断したか)の残し方が分かる
- 失敗したときの「止める・戻す・知らせる」を決められる
1理解する
人の承認が必要な4つの操作
どんな業務でも、次の4つの操作の直前には必ず人の確認を入れます。エージェントの仕事は「案を作って、人に見せて、止まる」までです。
送信
社外へのメール、チャット、投稿。一度出たものは取り消せません。
支払い・契約
お金が動くこと、約束が成立すること。
削除・上書き
データやファイルを消す、置き換える。復元できないことが多い。
公開
社外や全社に見える場所への掲載。
ステップ03で「人」の印をつけた箇所と合わせて、これらを承認ポイントと呼びます。承認ポイントでは、エージェントは「ここまでやりました。実行してよいですか」と人に渡し、人が確認して実行します。
承認ポイントの置き方
承認が多すぎると、人の手間が減らず導入の意味がなくなります。少なすぎると危険です。目安は次のとおりです。
- 最初の数週間:すべての出力を人が確認してから使う(全件承認)。
- 安定してきたら:4つの操作と「人」の印の箇所だけ承認。それ以外はエージェントが進め、人は結果を後から見る(事後確認)。
- いつまでも承認を外さないもの:4つの操作。これは期間に関係なく、人が実行します。
記録を残す
エージェントが何を読み、何を判断し、何を出力したかを、後から追える形で残します。多くの製品には実行履歴(ログ)の機能がありますが、それに頼りきらず、業務の側でも次を残します。
- いつ、どのデータに対して動かしたか
- エージェントの出力(分類結果、下書きなど)
- 人が手直しした箇所と、その理由
- 承認ポイントで誰が承認したか
この記録は、間違いがあったときの原因調べ、ステップ07の評価、監査や説明責任への対応、すべてに使えます。
失敗したときの「止める・戻す・知らせる」
エージェントが間違えること自体は防げません。防ぐのは「間違いが広がること」です。次の3つを、動かし始める前に決めておきます。
| 決めておくこと | 例 | |
|---|---|---|
| 止める | 誰が、どうやってエージェントを止めるか。止める判断の基準 | 担当者が設定画面で停止。1日の誤分類が3件を超えたら止める。 |
| 戻す | 間違った結果をどう元に戻すか。戻せない操作は最初から任せない | 誤って移したメールはフォルダから戻す。下書きは削除する。 |
| 知らせる | 誰に、どの手段で知らせるか | 担当者と上長にチャットで。影響が社外に及ぶ場合は所定の報告ルート。 |
暴走と漏えいを防ぐ
- 上限を決める:1回に処理する件数、1日の実行回数、利用料金の上限。想定外に回り続けることを防ぎます。
- 権限はステップ04のまま最小限に:便利だからと権限を広げない。広げるときは記録を残す。
- 入力する情報を見張る:個人情報や社外秘が、想定外の経路でエージェントに渡っていないか、記録で定期的に確かめる。
- 出力にも気をつける:返信案に他の顧客の情報が混ざるなど、出力側の漏えいもあります。承認ポイントでの確認項目に入れます。
2自社に当てはめて考える
- 自分の業務の中で、4つの操作(送信・支払い・削除・公開)に当たる箇所と、ステップ03の「人」の印の箇所を、承認ポイントとして書き出す。
- 最初の全件承認を何週間続けるか、その後どの承認を残すかを決める。
- 何を記録するか、どこに残すかを決める。
- 止める・戻す・知らせるの3つを、具体的な人の名前と手段で書く。
- 件数・回数・料金の上限を決める。
3自社の情報を記入する — 安全チェックシート
本番で動かす前に、ここがすべて埋まっていることを確認してください。 入力は自動でこのブラウザに保存されます。保存しました
| どこで(業務の手順のどこ) | 種類 | 誰が承認 | いつまで |
|---|
よくあるつまずき
- 試作がうまくいったので、そのまま本番で動かす。試作と本番の違いは、間違いの影響範囲です。安全の仕組みは本番前に。
- 承認を全部つけて、結局人の手間が減らない。最初の数週間は仕方ありません。安定を確かめたうえで、4つの操作以外の承認は段階的に外します。
4次へ進む条件
次の項目にすべてチェックが入ったら、このステップは完了です。完了にすると、トップページと一覧に印がつき、進み具合として記録されます。
ステップ06は完了です。次のステップ07「評価して改善する」へ進んでください。