ステップ 04 / 08CONNECT約25分
道具と情報をそろえる
分解した業務をエージェントが実行するには、読み書きする道具(メール、ファイル、業務システムなど)と、扱ってよい情報の範囲、そして権限が必要です。ここで情報システム部門や法務に相談する項目も整理します。
このステップでできるようになること
- エージェントがどの道具を使う必要があるか一覧にできる
- 連携の3つの段階(手で渡す・ファイルで渡す・システム連携)を説明できる
- 「最小限の権限」「読み取りから始める」の考え方が分かる
- 扱ってよい情報・いけない情報の線引きを確認できる
1理解する
エージェントが使う「道具」を洗い出す
ステップ03の分解シートを見ながら、入力・手順・出力のそれぞれで、エージェントが触る必要のあるものを書き出します。多くの場合、次のどれかに当たります。
- メール:受信箱を読む、下書きを作る(送信は人)
- ファイル・共有フォルダ:表計算や文書を読む、結果を書き出す
- カレンダー・チャット:予定を読む、担当者に知らせる
- 業務システム:顧客管理、会計、勤怠など。読み取りと入力
- Web:公開情報を調べる
連携には3つの段階がある
「システム連携」と聞くと難しそうですが、実は段階があります。最初から高い段階を目指す必要はありません。
手で渡す
人がエージェントにメールやファイルの内容を貼り付け、結果を受け取って人が貼り直す。もっとも簡単で、今日から試せます。ステップ05の試作はほぼこの段階で行います。
ファイルで渡す
決まったフォルダにファイルを置くと、エージェントがそれを読み、結果を別のフォルダに書き出す。人の手間が減り、まだ仕組みは単純です。
システムとつなぐ
エージェントがメールや業務システムに直接アクセスする。多くの製品では「コネクタ」「連携」「API(システム同士がやりとりするための窓口)」と呼ばれる機能を使います。便利ですが、権限と安全対策の設計が必要になります。
最初は段階1か2で十分
段階3に進むのは、段階1・2で業務の分解と指示書が固まってからで構いません。先に連携を作り込むと、業務の見直しのたびに作り直しになります。
権限:最小限、読み取りから
エージェントに与える権限は、人の新人に与える権限と同じ考え方です。
- 必要最小限の権限:その業務に使うフォルダ・受信箱だけ。「とりあえず全部見られるように」はしない。
- 読み取りから始める:まずは読むだけ。書き込み(作成・変更・削除)は、試作で安定してから、しかも範囲を限って与える。
- 専用のアカウント:個人のアカウントを使い回さず、エージェント用のアカウントを用意すると、誰(何)が何をしたか記録で追えます。
- 削除と外部送信は与えない:少なくとも最初の数か月は、人が行う。
情報の線引き:扱ってよいもの・いけないもの
エージェントに読ませる情報は、多くの場合、外部のAIサービスに送られます。社内のルールで、どの情報を外部サービスに入力してよいかが決まっているはずです。決まっていなければ、この機会に確認します。
| 情報の種類 | 一般的な扱い | 確認先 |
|---|---|---|
| 公開情報・一般的な業務文書 | 多くの場合、利用可 | 社内ルール |
| 社外秘の業務データ | 契約で学習に使われないことを確認したうえで利用、など条件つき | 情報システム部門 |
| 個人情報(氏名・連絡先・従業員情報) | 目的と範囲を限定。匿名化や伏せ字で済むなら、そうする | 法務・個人情報の担当 |
| 極秘情報(未公表の経営情報、技術機密など) | 原則として入力しない | 情報システム部門・法務 |
ここは「分からないから後で」にしないでください。試作を始める前に線引きがあると、安心して進められますし、後から止められるリスクも減ります。
相談するときの持ち物
情報システム部門や法務に相談するときは、ステップ02の候補評価表、ステップ03の分解シート、そしてこのステップの一覧表を持っていきます。「何を、どの情報で、どこまで任せたいか」が紙になっていると、相談は短時間で済み、答えも具体的になります。
2自社に当てはめて考える
- 分解シートを見ながら、エージェントが触る道具を一覧にする。
- それぞれについて「読むだけ」「書き込みも必要」を分け、最初の試作では読むだけで済ませられないか考える。
- 扱う情報の種類を確認し、個人情報や社外秘が含まれるなら、伏せ字やダミーデータで試作できないか考える。
- 情報システム部門・法務に確認すべき項目を書き出し、相談の予定を入れる。
- 最初の試作は連携の段階1(手で渡す)か2(ファイルで渡す)のどちらで行うか決める。
3自社の情報を記入する — 道具・情報・権限の一覧表
情報システム部門・法務に相談するときは、このページを印刷またはコピーして持っていけます。 入力は自動でこのブラウザに保存されます。保存しました
| 道具(メール/ファイル/システム名) | 使い方 | 試作では | 権限の申請先 |
|---|
| 扱う情報 | 種類 | 試作での扱い | 確認先 |
|---|
よくあるつまずき
- 連携を先に作り込む。業務の指示書が固まる前にシステム連携を作ると、作り直しが続きます。手で渡す段階で十分に試してから。
- 個人のアカウントで動かし続ける。試作の間はやむを得ないこともありますが、本格運用の前に専用アカウントに切り替えます。
4次へ進む条件
次の項目にすべてチェックが入ったら、このステップは完了です。完了にすると、トップページと一覧に印がつき、進み具合として記録されます。
ステップ04は完了です。次のステップ05「小さく試す」へ進んでください。